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2020-01-24:

最後のスピーチ || バラク・オバマ

2017年1月11日オバマ大統領が地元シカゴで大統領として最後の演説を行います。
人種問題や民主主義にふれたほか、ミシェル夫人やバイデン副大統領に感謝の言葉を伝え、
最後に、大統領当選時のスローガン「Yes, we can、Yes, we did、Yes, we can」で締めくくるのです。

【演説内容】
ミシェルと私は、この何週間かの間に頂いた、みなさんからのお別れの言葉に、感動しています。
しかし、今夜は私がみなさんに御礼を申し上げる番です。

実際に目を合わせてお話しできたのか、同意できたかどうかにかかわらず、
私がアメリカ人のみなさんとできた対話……、場所は客間、学校、農場、工場の床、ダイナー、
遠くの駐屯地であったりしましたが、そこでのあなたたちとの対話は、私を正直にさせ、奮起させ、邁進する助けとなってきました。

毎日私はみなさんから学んできました。みなさんが私をよりよい大統領にしてくれたのです。それにより私はよりよい人間となることもできました。

私が初めてシカゴに来たのは20代前半の頃でした。その頃、私はまだ自分が何者なのかを理解しようとしている時でした。自分の人生の目的を模索していたのです。

ここからそう遠くはありませんが、近所の閉鎖された製鋼工場の陰に教会のグループがあり、そこで私は働き始めました。そこで私は信仰の力、そして苦しみと失意の浮かぶ労働者の顔にある、静かな尊厳を目にしました。

そこで私は、普通の人たちが深く関わり、一致して要求することで、物事は「チェンジ」することができるのだということを学びました。

みなさんの大統領として8年間の勤めを果たした後でも、まだ私はそう確信しています。
しかも、それは私の信念というだけではなく、アメリカの思想の真髄でもあるのです。

自治政治という大胆な試みです。それは、みな平等に創造されたという確信です。
創造者から、奪うことのできない、命、自由、幸福の探求といった確かな権利を与えられているのです。

そのような権利こそが、私たちが決して自滅しないという証拠となっています。
我々人類は、民主主義という手段を通して、さらに完全な結束を生み出すことができるのです。
なんとすばらしいアイデアなのでしょう。私たちの創造者がくれた、すばらしい贈り物です。

我々が懸命に働いて、想像をすることにより、個々が自分の夢を追う自由、
そしてさらによいものを手に入れるため、一致して追求するという使命があります。

240年間にわたり、この国は国民に、それぞれの新たな時代に対して仕事と目的を提供してきました。

それこそが愛国者に専制政治ではなく共和主義を選択させ、開拓者に西部を旅させ、
奴隷たちに自由への道を作る勇気を与え、移民や難民が海を渡りやってきて、リオ・グランデは女性に投票するようにさせ、労働者が組織立つように力づけたのです。

それゆえに、GIはオマハビーチや硫黄島、イラクやアフガニスタンで命を捧げました。
From Selma to Stonewall(キング牧師ら黒人公民権運動の始祖が大行進したセルマ、
同性愛者擁護運動が始まったストーンウォール)の男女が同様に命を捧げる用意ができているのも同じ理由からです。

我々がアメリカは特別であると言うのは、このような意味で言うのです。
建国後から問題がなにもなかったからというのではなく、我々が変革をする能力を示し、
後の時代がよりよい生活を送ることのできるようにするということです。

もし私が8年前みなさんに、「アメリカが大きな不況を回復させ、自動車工業を再起動させ、
アメリカの歴史上一番長い期間、雇用を生み出すことになる」とお話ししていたとすると。

もし私がみなさんに、「キューバの人々と新たな関係を始める」と、
そして「イランの核兵器プログラムを争うことなく閉鎖し、911の首謀者を倒す」と
お話ししていたとしたら。

もし私がみなさんに、「結婚の平等を確立し、さらに2,000万人もの市民に健康保険の権利を保障する」
とお話ししていたとしたら、みなさんは目標が高すぎると言われたかもしれません。

しかし、私たちはこれらのことを成し遂げられました。

みなさんが「チェンジ」そのものとなったのです。みなさんが人々の希望に応え、みなさんのおかげで、
ほとんどすべての意味において、私たちの始まりの時よりも、アメリカはよりよい、強い国となることができたのです。

10日後に世界は民主主義の特徴を目にすることになるでしょう。

自由に選出された1人の大統領から次の大統領へと力が平和裏に移行するのです。
ちょうどブッシュ大統領が私に対してしたように、私も次期大統領トランプに、
私の政治ができる限りスムーズに移行できるように、完全に引き渡します。

なぜなら、我々がいまだに直面しているたくさんの問題を政府が助けてくれるかどうかは、
私たちすべてにかかっているからです。私たちはそのために必要なものをすべて手にしています。

結果的に私たちは地球上もっとも裕福で、もっとも強力で、もっとも尊敬される国であり続けるのです。
私たちの若さと力、私たちの多様性と解放、私たちの大胆さ、リスクと変化の余裕とを考察するならば、
未来は私たちのものであると言えるでしょう。

しかしその可能性は私たちの民主政体の働きにかかっているでしょう。
私たちの政治が自国民の体裁を反映するなら、私たちすべてが、協力関係や特定の興味に関わらず、
現在非常に必要とされている共通の目的を回復する助け合いをするならば、の話です。

今夜私が強調したいのはこのことです。私たちの民主主義という国家です。
民主主義に一貫性が求められないということは理解できます。

私たちの先祖は争い、妥協してきましたし、私たちも同様であろうと予期しています。
でも彼らは、民主主義には基本的な連帯意識が必要なことを知っていました。
アイデアは、外見の違いについて、我々はみな一緒で、調子がいい時も悪い時も一緒だということです。

我々の歴史のなかで、団結力が脅かされた時が何度かありました。
今世紀の初めに起こったこともその1つです。縮んでいく世界、格差の拡大、人口構造の変化、テロリズム。
これらの脅威は、我々の安全と繁栄を試しただけでなく、民主主義も試しています。

我々の民主主義に対するこれらのチャレンジに対して我々がどう対応するかによって、
子供の教育や雇用の創出やこの国を守る能力が決まります。別の言葉で言い換えると、
我々の未来が決まります。その初めとして、我々の民主主義は、みなが経済的な機会を与えられない限り、機能しないのです。

https://logmi.jp/business/articles/180020

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